
「ツヨツヨ」な自分になりたい
先日、テレビの街頭インタビューで大学生が「もっとツヨツヨになって社会人になりたいです」と話していました。
この「ツヨツヨ」という言葉を聞いて、私はふと、独立開業したばかりの頃を思い出しました。
当時の日記を読み返すと、「この先が怖い、もっと強くなりたい」と願う自分の言葉がありました。
すごい人たちを目の前にしては、たじろぎ、焦り、劣等感に苛まれる。
そんな自分を変えたくて、何度も「もっと強くならなきゃ」と心の中で叫んでいました。
きっと、あの大学生も、社会という荒波を前にして同じように感じているのかもしれません。
「弱いまんまでいいんだよ」
そんな不安な気持ちでいた頃、ある二人の言葉に出会いました。一人目は、昭和を代表するコメディアンであり名優の、いかりや長介さんです。
「強くなることはないです。
弱い自分に苦しむことが大事なことなんです。
人間はもともと弱い生き物なんです。
それなのに、心の苦しみから逃れようとして強くなろうとする。
強くなることは、鈍くなるということなんです。
痛みに鈍感になる。
自分の痛みに鈍感になると、他人の痛みにも鈍感になる。
自分が強いと錯覚した人間は、他人を攻撃する。
痛みに鈍感になり、優しさを失う。
いいんですよ、弱いまんまで。
自分の弱さと向き合い、それを大事にしなさい。
人間は弱いままでいいんです。
いつまでも、弱い者が手を取り合い、生きていく社会こそが素晴らしい。」
この言葉は、私の心を深く揺さぶりました。
「強くなりたい」と願うことの裏には、「弱さから逃れたい」という気持ちがあったのかもしれない。
でも、いかりやさんは「弱いままでいい」と教えてくれました。弱さと向き合うことこそが、本当に大切なことなんだと。
弱さの中にこそ、強さがある
人間は、素晴らしい脳を持って進化を遂げてきました。
しかしその一方で、その脳があるからこそ、私たちはたくさんの悩みを抱えます。
私たちは一人で生きているようで、実はたくさんの人や自然に支えられています。
目の前の食べ物だって、多くの命と人々の手によって、私たちの命に繋がっているのです。
ことさらに自分を強く見せる必要も、弱いと悩むこともありません。
強さの裏には弱さがあり、弱さの裏にはしなやかな強さが隠れています。
強さと弱さ、どちらもある。
自分の両面を認めたときに、初めて本当の自分の価値が見えてくるのかもしれませんね。
二人目の方の言葉は、次回へ…


