それって、本当の自信なんでしょうか?


このカウンセリングルームを開いた背景には、かつて私自身が、仕事と介護のはざまで立ち尽くした時間がある。

「よく生きた」とつぶやくまで

今日のお客さまは、50代半ばの女性。
仕事と、人生で初めて向き合う介護のはざまで、懸命に日々を過ごしておられる方です。
これまでにも何度か、このカウンセリングルームに足を運んでくださいました。

「その後、お仕事の調子はいかがですか?」

そう尋ねると、彼女は少し間を置いて、ぽつりと語り始めました。

「よく、生きたなって思います。この半年は、本当に……
頭を鈍器で殴られるような毎日でした」

職場では人間関係に苦労されていたそうです。
同僚のしんどさも理解しようとしてきたけれど、
気づけば感情の受け皿のような立場になっていた。

誰にも相談できず、
ある人の機嫌を気にすれば、また別の誰かの空気が重くなる。
そんな中で、自分の仕事にも集中できなくなっていった、と。

「もう無理だと思って、投げてしまったんです」

上司の反応が胸に刺さり、
何より、自分自身を責め続けてしまったことが、一番つらかった。

自信とは何だろう、と問い続けて

「なぜ、こんなに自信がないんでしょう」

もう頑張りたくない。
でも、辞める勇気も、次へ進む勇気も持てない。

本当は、納得のいく仕事を、静かに集中してやりたい。
それなのに、自分が何を求め、何を恐れているのかが、わからない。

堂々として、信頼される人間でなければ価値がない。
好かれなければ、頼られなければ意味がない。
そんな価値観が、自分を縛っている気がする。

それって、本当の自信なのだろうか。

弱い自分も、うまくできない自分も、
そのまま受け入れることはできないのだろうか。

彼女の内側には、不安や怒り、嫉妬が渦巻いていました。
それを吐き出せる場所はなく、ただ日記に書き続ける。
文字の上に文字を重ね、
紙が真っ黒になるページもあったそうです。

孤独でした。
不安で、誰かに頼りたかった。

介護という現実の中で

介護について、彼女はこう言いました。

「学びだと思っています」

母の話に耳を傾け、
こわばった体をさすり、食事や入浴、洗濯をこなす。
一日が終わるころには、心も体もくたくたになる。

家族全員が戸惑いながら、どう向き合えばいいのか模索している。
責任、労力、お金。
家族の在り方そのものが、試されているように感じる、と。

「母には、できる限り寄り添いたい。
でも……自分も守らないと」

そう言って、彼女は最後にこう結びました。

「だから今日は、
誰かに話を聴いてもらいたくて、ここに来ました」

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