賃上げ促進税制と決算賞与

賃上げ促進税制とは?

賃上げを後押しする制度として、「賃上げ促進税制」があります。

この制度は、青色申告書を提出している中小企業などが、従業員の前年度給与など(俸給・給料・賃金・歳費・賞与)を増加させた場合、増加額の一部法人税から税額控除できるという制度です。

税額控除は、納めるべき税額から一定額を特別に控除することができる特例ですので、節税効果があるとされています。

つまり、適用対象になれば支払う税額を減らせます。

中小企業の場合、全雇用者の給与等支給額の増加額の最大45%を税額控除することができます。(調整前法人税額の20パーセントが上限となります。)

なお、前3事業年度の所得の平均額が年15億円を超える場合は、適用できないなど、適用対象要件があります。(企業の規模によって、制度の内容が異なります。「中小企業庁のパンフレット」

 

従業員への決算賞与と賃上げ促進税制

企業の業績によって支給される賞与(ボーナス)を決算賞与と言います。

業績が好調だった事業年度において、その利益を従業員に還元するため、一般的なボーナスや毎月の給料とは別に支給される仕組みです。

従業員への決算賞与を損金として計上できれば、課税される所得が減るので法人税が軽減される仕組みです。

例えば、今期、会社の業績がよいので、賃上げ促進税制の要件を満たすため、従業員に決算賞与を支給した場合、税務上問題となるのでしょうか?

この場合、政策的な税制優遇の要件を満たすために、決算賞与を支給することが租税回避として否認されることはありません。

未払いの決算賞与を計上する際の留意点

しかし、注意が必要なのは、未払賞与として決算期末に計上する場合です。

未払いの決算賞与として損金算入するためには、次の要件を満たす必要があります。

(1)その支給額を、各人別に、かつ、同時期に支給を受けるすべての使用人に対して通知をしていること。

(2)(1)の通知をした金額を通知したすべての使用人に対しその通知をした日の属する事業年度終了の日の翌日から1か月以内に支払っていること。

(3)その支給額につき(1)の通知をした日の属する事業年度において損金経理をしていること。

税務調査の段階で、特によく問題となるのが、(1)の要件です。

決算期末までに各人に通知していても、就業規則や給与規定などで、

・支給基準条件を達成しなければ支給されない

・期末に在籍していなければ支給されない

といった取り決めがある場合は、決算期末までに、決算賞与の支給が確定していなかったとして否認される場合があります。「国税庁タックスアンサー 使用人賞与の損金算入」

 

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