初めてのウィルス性腸炎

 

さくら咲く 見上げし空に 笑みこぼる

初めてのウイルス性腸炎

あれは、初めてウイルス性腸炎になった時のことでした。

一日目、なんだかお腹が張るような、体がだるいような、そんな倦怠感がありました。税務と経理の勉強をしようと机に向かったものの、座っているのが辛くなり、リビングで横になりながら参考書を読みました。

夕方、気分転換にウォーキングに出かけ、一万歩ほど歩いて帰宅。すると、今までにない強烈な疲労感に襲われ、ベッドに倒れ込むように眠りました。夕食は少しだけ摂り、またすぐにベッドへ。

翌朝、起きると体が熱っぽい。体温計で測ってみると、平熱より2度も高い。これはおかしい。胃腸のあたりには、重く鈍い痛みがずっしりとあります。経験したことのある腹痛とは、どうも違う。倦怠感と疲労感も尋常ではありません。ベッドから起き上がることすらできません。食欲も全く湧いてきません。

こんな時に限って、仕事の連絡が入るものです。事情を説明し、日程調整をお願いしました。

そんな状態が三日も続きました。特に困ったのは、全く食欲が湧かないことでした。大病で苦しんでいらっしゃる方からすれば、叱られてしまうかもしれません。でも、その時は、生きる意欲を失うと、人は食べるという行為から離れて、静かに命を終えていくのかもしれない、と感じてしまったのです。「何かのために、誰かのために生きよう」という意欲が、湧いてきませんでした。

あなたは、自分を大切にしていますか?

ただ、ベッドに横たわっている時、ふと頭に浮かんだのは、快く日程調整に応じてくださったお客様のことでした。「待っていてくださるお客様のために、少しでもお役に立ちたい。そのためにも、心と体を整えよう」。そう思えるようになったのです。

思えば、腸炎になる前、実力をつけたい一心で、仕事量を増やしすぎていました。しかも、慣れない仕事だったのです。毎日、初対面のお客様の税務相談に複数対応し、短時間で解決しなければならない。そんな日々は、常に緊張の連続でした。その仕事が一段落し、ホッとした矢先に、腸炎になってしまったのです。

まるで人生が、病を通じて私に問いかけているようでした。「今、あなたは、自分を大切にしていますか?」

私は、ベッドに横たわりながら、自分の腕を抱きしめ、「ごめんなさいね、無理させてしまったね」と何度も何度も優しくさすりました。

数日経つと、徐々に活力が戻ってきました。しばらく下痢は続きましたが、体全体が浄化されているような、不思議な感覚でした。念のためお医者さんに検査してもらい、まずは安心しました。

病は、今の生き方のままで良いのか、立ち止まって気づかせてくれるものなのかもしれません。自分の内側にベクトルを向け、今、自分がどう感じているのかを丁寧に感じていく。誰かが言っていました。「自分を大切にできない人は、他人も大切にできない」と。

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