
不安の中で見つけた一冊
個人事業主として開業して、今年で3年目になります。
55歳ごろから会社勤めをしながら、 少しずつ準備してきたつもりでしたが、「これで本当に大丈夫なのかな」と、不安ばかりが募っていました。
いくら経験を積んでも、自信はなかなか育ちません。やりたいことに向かっているはずなのに、道が開けていかないもどかしさを感じていました。
そんなある日、本棚の隅にあった一冊の本の背表紙が目に飛び込んできました。
『女性の覚悟』——坂東眞理子さんの著書です。
最近の私は、直感を大切にしています。「今の私に必要な言葉があるかもしれない」。
そう思い、リクライニングチェアに身を沈め、そっとページをめくりました。
無意識の偏見と「責任を恐れる心」
本の中で坂東さんは、1985年に成立した男女雇用機会均等法のその後を振り返っています。
確かに、女性の就業機会は増えました。
しかし、2020年の世界経済フォーラムによると、日本のジェンダー・ギャップ指数は156カ国中120位。まだまだ厳しい現実があります。
なぜ、いまだに女性の地位は低いのでしょうか?
その背景には、アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)があると著者は言います。
「家事や育児は女性の役目」といった思い込みが、私たち自身の心にも根強く残っていて、知らず知らずのうちに、女性の可能性にブレーキをかけているのです。
私は会社勤めの頃、管理職の打診を受けたことがありました。
でも、体調を崩してしまい、最終的にはお断りしました。
正直に言えば、「責任を持ちたくなかった」のだと思います。
責任を恐れる気持ちが、自分の成長を妨げていたのかもしれません。
「自分を大切にする」覚悟
特に印象的だったのは、著者が50歳以降の女性に向けて発したメッセージです。
「自分の人生の責任者は自分なのだと覚悟しましょう。」
本には、50代以降のキャリアデザインのヒントがたくさん詰まっていました。
例えば、「稼げる力」という無形資産をどう育てるか。
年齢を重ねるからこそ大切になる「内面と外面の美しさ」。
情報リテラシーを身につけることや、「ゆる友」と呼ばれる気楽な人間関係のすすめ。
「私なんて…」という自己否定にどう向き合うか——。
特に心に残ったのは、
「自分を大切にするとは、自分の可能性を見つけて育てること」という言葉です。
嫌いな自分も、うまくいかない日々も、丸ごと受け入れること。
それが“覚悟”の本質なのかもしれません。
私はようやく、自分の人生を自分で面倒を見るということが、少しずつできるようになってきた気がします。
そう思えるようになったとき、不思議と、自信というものも少しずつ顔を出してくるのかもしれません。


